2月27日 予算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 236ページ、学校支援指導員派遣事業について伺います。
 学校教育の一番大きな問題は、学校がブラックな職場となっていって、先生が忙し過ぎることです。墨田区では、先生の負担を減らすために、学校支援指導員を配置しています。
 そこで伺いますが、予算書を見ても、指導員の人数がはっきり分かりません。来年の予算からは、人数がはっきり分かるように予算書に記入していただきたいと思います。今回の予算では、学校支援指導員は何人雇用するのでしょうか。また、それぞれの学校への配置は何人ずつですか。また、学校では、どんな役割を果たしているのか伺います。

◎指導室長(横山圭介君) 
 学校支援指導員は、各園・学校に1名ずつの配置を基本としているため、42名の雇用を想定しています。
 ただし、学校によっては、配置された1名分の予算の範囲内で、複数名が分担して雇用されているケースもあります。そのため、現段階では、来年度の人数は確定していません。
 学校支援員の役割ですが、あくまでも教員の補助的な役割です。学校の状況に応じて、学習支援、生活指導支援、特別支援の必要な子どもたちに対する個別支援、児童・生徒の個別の相談等の支援、見守りというような役割を担っています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 実際に、学校支援指導員が教員の負担軽減にどの程度貢献しているのか伺います。
 学校現場からの声があれば教えてください。指導員をもっと増やせば、教員の抱える問題は解決するのでしょうか。

◎指導室長(横山圭介君) 
 学校からは担任の指導のもとに、個別に配慮を要する児童・生徒の学習補助を行ったところ、基礎学力を身に付けることができた、休み時間の児童・生徒に関わるトラブル、問題行動の減少につながった、落ち着いた学習状況を実現することに寄与していると、さまざまな成果が上がっているということで、教員の負担軽減という点からも、学校支援指導員の配置は、学校運営に大きく貢献していると考えています。
 しかしながら、学校支援指導員を増加させることが、すなわち教員の指導力や統率力などの問題解決につながるものではないため、一概に増員をすればよいとは考えていません。
 ただし、特別支援等個別の対応が必要な事例も増加していることから、教員の補助的な役割としての学校支援指導員は、今後も充実させていく必要があると考えています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 墨田区では、スクールサポートスタッフも雇用しています。今回の予算では、何人ぐらい採用するのでしょうか。また、その役割と、それぞれの学校への配置は何人ぐらいでしょうか。
 また、教員の負担軽減に関して、どの程度、役に立っているのでしょうか。

◎指導室長(横山圭介君) 
 スクールサポートスタッフは、各学校1名の配置を予定していますので、今回の予算では33名から35名程度の配置ができる見込みです。
 役割については、授業準備をサポートすることにより、教員の負担軽減を図るという役割があります。具体的には、学習プリントの印刷、配布準備や教材の作成、掲示物の貼り替え等の補助的な役割を担うこととなっています。
 今年度、既に実施している学校からは、勤務時間内に教員が教材研究を行う時間が確保できるようになった、児童・生徒と直接的に関わり、指導する時間ができた、教員の退勤時間が早くなった等の報告があり、教員の働き方改革、教員の負担軽減という点で、大変効果があると認識しています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 学校における業務は、ICTを使えばもっと効率化できると思います。今、文部科学省は、総合型校務支援システムの導入を進めています。これは、出席簿、テストの成績、通信簿などを作成できます。このシステムの導入により、ある自治体では、教員の負担を1年間で200時間以上減らしたそうです。都内では、渋谷区が既に導入を始めています。
 本来、東京都が中心になって、23区共通のシステムをつくるべきだと思いますが、墨田区では、現在、総合型校務支援システムの導入についてどのように考えていますか。

◎教育委員会事務局参事(宮本知幸君) 
 本区では、総合型校務支援システムを平成22年度から導入しておりまして、成績処理、健康診断の記録、指導要録の情報を一元管理しています。
 日々の成績処理とか出欠等のデータ、それから保健データを、そのまま指導要録に反映できるということで、校務負担が削減になっています。
 導入後の教員のアンケートでも、9割以上の教員から削減効果があったと聞いています。
 23区共通のシステムですけれども、国では都道府県単位で校務支援システムの導入を促進するところです。23区の場合、既に22区がシステムを導入しておりまして、その導入が進んでいることと、また、児童数、学校数が多いことがあり、23区共通で運用するのは、現状では難しいと考えています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、不登校対策についてお伺いします。
 スクールカウンセラーを配置して、不登校を防止することは大事ですが、既に不登校の子どもに対する対策も考えていただきたいと思います。不登校の子どもが通えるフリースクールはたくさんありますが、学費が高く、経済的な理由で通えない子どもも多いと思います。昼間は児童館を利用して、不登校の子どもたちの居場所をつくることも検討していただきたいと思います。
 東京周辺などのフリースクールから、先生を派遣してもらえばいいと思います。経費も、それほど掛からないと思います。不登校の対策について、どのように考えているのかお伺いします。

◎指導室長(横山圭介君) 
 不登校対策ですが、不登校予防のスクールカウンセラー配置、学校での取組のほか、既に不登校になっている児童・生徒に対する対策について、サポート学級、ステップ学級という適応指導のための教室を運営しています。
 そのほかにも、家庭内で、なかなか外に出られないという子どもたちに対しても、さまざまな福祉施設、要保護児童対策地域協議会、生活困窮者自立支援制度の仕組み等も活用し、子育て支援総合センターや福祉部局等々も連携をしながら、支援を進めています。
 児童館業務の中での不登校対策ですが、行える可能性もあると考えますので、区長部局と連携して研究・検討してまいります。

◆委員(井上ノエミ君) 
 234ページのスクールカウンセラーについて伺います。
 スクールカウンセラーを配置するのは大変よいと思います。しかし、カウンセラーを配置するだけでは、なかなかいじめや不登校の解決にはならないと思います。有能なカウンセラーであれば、大変役に立ちますが、そうでないと税金の無駄になります。教育委員会と学校長がしっかりカウンセラーの能力を評価する必要があると思います。ご見解を伺います。

◎指導室長(横山圭介君) 
 スクールカウンセラーの個別能力について、効果が変わるというところのご指摘がございました。スクールカウンセラーの能力評価等については、年3回、校長が勤務状況を評価し、教育委員会に報告を行っていいます。その上で、次年度の配置について決定しているので、適切に行われています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 235ページ、中学生の海外派遣事業についてお伺いします。
 派遣の選考ですが、英語学習に熱心な生徒を選んでいると思いますが、選考のときに、英語力をどのように評価しているのかお伺いします。
 学校の成績で評価しているのか、英検などの外部試験で評価しているのか。英語の面接を実施しているのか。具体的な選考方法を教えてください。
 また、オーストラリア研修が単なる海外旅行になっては、わざわざ税金を使って実施する意味がありません。教育後に、例えば、中学卒業レベルである英検3級に受かったとかなどの具体的な成果が欲しいです。派遣生には、中学卒業までに、準2級に合格するくらいの成果を出してほしいと思います。
 また、その程度の成果を出せる生徒を選んで派遣してもらいたいと思います。
 現在まで、生徒の英語力に、どのような結果が出ているのか教えてください。

◎指導室長(横山圭介君) 
 海外派遣事業の派遣生の選考については、教育委員会事務局で応募者全員の第一次の書類選考、第一次通過者の二次面接選考を実施しています。二次選考、個人面接の際に、ネイティブティーチャーによる英会話やコミュニケーション力を把握するためのパフォーマンステストを行っています。
 このパフォーマンステストでは、中学校1年生までの英語を活用して、自己紹介や海外派遣等に対する受け答えをして審査しています。
 このような形で、派遣生の英語力を確認しています。
 帰国後の派遣生の状況ですが、学習面、生活面ということで、例えば英語の学習の中で、以前よりも、自分からネイティブティーチャーに話すようになったこと、進んで授業中発言するようになったと、大変積極的な変化が見られたという報告を受けています。
 また、英語力の向上だけではなく、国際的な視野に立ち、将来つきたい職業の視野が広がったというような感想も出ています。
 英検受験につきましては、派遣決定時の英語力にもさまざまな差がございますので、一概に英検受験をもって、あるいは英検何級合格ともってという形で確認はしていませんが、英検受験につきましては、中学校段階での英語教育の成果を客観的に図っていく、また、子どもたちの目標にするという視点でも、中学生全体に受験の働きかけはしてまいりたいと思っています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 区の派遣事業に同行している教育委員会の職員、学校の先生は何名でしょうか。具体的に、どういう方が同行しているのか教えてください。
 この派遣事業は、生徒を対象ですが、私は、教育委員会の英語担当や英語の先生にも大変役に立つ研修だと思います。生徒と一緒に、数人の先生方の研修も併せて実施してはどうかと思いますが、ご見解を伺います。
 先生方には、多少の自己負担もお願いすれば、予算もそれほど掛からないと思いますが、いかがでしょうか。

◎指導室長(横山圭介君) 
 中学生海外派遣事業に同行している職員でございますが、区立中学校長が団長として1名、中学校の教員が2名、英語担当の指導主事1名が引率しています。中学校教員につきましては、必ずしも英語担当の教員ということではなく、海外派遣に貢献するという意慾の高い者を選んでいますが、ある程度の英語力も必要かなと考えています。
 中学校の教諭の応募を行う際に、子どもたちの事前事後の研修会に全て参加するということで募集をしていますので、そういう点では、海外での英語活動、また、派遣先の学校でのさまざまな教育視察という視点からも、研修としての側面も果たしているかなというふうには考えておりますが、やはり引率教員の役割については、子どもたちが安全に海外派遣研修を終えてくるというところは考えています。
 現段階で、この引率教員のほかに、研修として教員をという計画はございません。
 ただ、今、ご提案がございましたので、今後、そういうような事例もあるかどうかということも含めて研究してまいります。

○委員長(沖山仁君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。